185系の特急「185」は横浜〜伊東間ノンストップ 熱海・伊東の花火大会へは臨時列車で

JR東日本は2023年度夏シーズンの臨時列車として、定期運行を終了した185系の雰囲気を再び味わえる列車、静岡県熱海市や伊東市で開催される花火大会の鑑賞に便利な列車などを運転します。

特急「踊り子」の定期運用を2021年3月に終了したJR東日本185系電車(E259/写真AC)
特急「踊り子」の定期運用を2021年3月に終了したJR東日本185系電車(E259/写真AC)

親しみを込めて「いっぱーご」と読みます

1981年(昭和56年)に運行を開始した185系は、東海道線「踊り子」や高崎線「あかぎ」などの特急列車として主に活躍し、2021年3月のダイヤ改正を機に定期運行を終了しました。

デビュー当時は国鉄末期で車両の効率運用が優先されたため、通勤輸送での運用も視野に入れた特急型電車という、かつてないコンセプトで開発されました。その思想は1車両あたり片側2つ設けられた幅広の乗降扉、開閉可能な側面窓などに反映されており、今もファンからは「いっぱーご」の愛称で根強い人気があります。

そんな185系が、その名も特急「185(いっぱーご)」を名乗って東海道線・伊東線に夏の臨時列車として帰ってきます。運転日は2023年7月12日(水)・19日(水)と8月23日(水)・30日(水)の4日間で、全車指定席の6両編成で横浜駅〜伊東駅間を1日1往復します。途中停車駅は設けられず、1時間24〜26分かけてノンストップ運行します。

追加で発表された臨時列車であるため、7月12日(水)運転分の特急「185」については、指定席発売が例外的に6月16日(金)14:00開始となるので注意が必要です。

(臨時特急「185」「熱海海上花火大会号」「伊東按針祭花火大会号」ほかの運転時刻など詳細は下の図表を参照)

【時刻表で解説】臨時特急「185」「熱海海上花火大会号」「伊東按針祭花火大会号」ほかの運転時刻

中央線から特急「あたみ」 武蔵野線から特急「鎌倉」

1952年(昭和27年)にはじまった「熱海海上花火大会」は、三方を山に囲まれた熱海湾一帯で開催される名物イベントです。年間を通して10回以上開催されるのも特徴的で、特に観覧客が混雑する夏の開催日、7月28日(金)、8月18日(金)・25日(金)の3日間は全車指定席の臨時特急「熱海海上花火大会号」が運転されます。東京駅〜熱海駅間を1日1往復するダイヤで、E257系9両編成が使用されます。

徳川家康の外交顧問であった三浦按針の功績をたたえる伊東市の「按針祭(あんじんさい)」は、約1万発の花火を1時間に打ち上げる花火大会でフィナーレを迎えます。開催日の8月10日(木)は、東京駅〜伊東駅間で1日2往復の臨時特急「伊東按針祭花火大会号」が運転されます。車両はE257系9両とE657系10両の2編成が投入され、いずれも全車指定席での運転です。

そのほか東海道方面の臨時列車として、高尾駅発着で中央線エリアから小田原・湯河原・熱海方面へ乗り換えなしで出かけられる特急「あたみ」が8月5日(土)・6日(日)の2日間設定されます。また、吉川美南駅発着で武蔵野線エリアと鎌倉駅とを結ぶ特急「鎌倉」は、7月〜9月の土日祝日を中心に計14日間運転します。

東京駅〜伊豆急下田駅・修善寺間の特急「踊り子」は、夏休みやお盆の多客期を中心に臨時列車が多数増発されます。また、全車両グリーン席の上質な車内空間で伊豆への旅を楽しめる特急「サフィール踊り子」は、毎日運転の1往復に加えて多くの日程で臨時列車が設定されます。